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「いや、離して下さい!」
「つれねぇなぁ、姉ちゃん。一緒に遊ぼうぜ?」
「大丈夫だって、痛くしねぇからよ。」
街灯が照らす裏通り。そこで数人の男女が話している。
いや、男共が一方的に話しているといった方が適切だろう。
まず嫌がる女性は、女性というよりは少女。
見た目は15、6歳。
上は白いアンダーシャツ一枚だけ。
下は赤と黒のチェックが入ったミニスカートと、夜中出歩くにしては危ない恰好だ。(現に危ない事になってるのだが。)
金髪のツインテールが、街灯の光を反射していて、月明かりの美少女といってもいいだろう。
一方、男達はというと、はっきり言って典型的な『不良』。
ハゲ頭一名にモヒカン頭数名。
モデル並の長身だというのに、髪型と厳つい顔つきが全てを台無しにしている。
モヒカンの一人の右手に握られているのは、少女のものと思われる青のジャンパー。
彼等が今、何をしようとしているのかは、大半の人間が分かる事だろう。
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