20人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい…………はい…………分かりました。」
ガチャリという、電話を切るような音がなる室内。とても薄汚く、五、六人が座れそうな作業机の上は、書類やら資料やらの山が占拠してしまっている。
そんな室内の奥には一人用の机と椅子。その椅子に座るのは一人の男。
見た目は25、6歳。
長年使いこまれたような薄汚れた背広にジーンズ。
顔はどちらかといえば中の上。だが服装の事もあり、お世辞にもイケメンとは言えない。
そんな男は、何かを考え込むように腕組みをしていた。
「ノムさん、難しい顔してどうしたんすか?」
『ノム』と呼ばれた男が顔をあげると、そこにあったのは少年の姿。
オレンジ色の髪が蛍光灯の光を反射していて、首に巻いているのは白いマフラー。
服装はといえば、上は赤のシャツに紺色のジャンパー。
下は青のジーパンと、比較的動きやすそうな姿だ。
しかし、小さい。身長はお世辞でも160はない。確実に155程度か、下手すればそれ以下。
おそらくどんな人間が見ても、この二人が同じ警察官だとは到底信じられないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!