動き出す闇

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「はい…………はい…………分かりました。」 ガチャリという、電話を切るような音がなる室内。とても薄汚く、五、六人が座れそうな作業机の上は、書類やら資料やらの山が占拠してしまっている。 そんな室内の奥には一人用の机と椅子。その椅子に座るのは一人の男。 見た目は25、6歳。 長年使いこまれたような薄汚れた背広にジーンズ。 顔はどちらかといえば中の上。だが服装の事もあり、お世辞にもイケメンとは言えない。 そんな男は、何かを考え込むように腕組みをしていた。 「ノムさん、難しい顔してどうしたんすか?」 『ノム』と呼ばれた男が顔をあげると、そこにあったのは少年の姿。 オレンジ色の髪が蛍光灯の光を反射していて、首に巻いているのは白いマフラー。 服装はといえば、上は赤のシャツに紺色のジャンパー。 下は青のジーパンと、比較的動きやすそうな姿だ。 しかし、小さい。身長はお世辞でも160はない。確実に155程度か、下手すればそれ以下。 おそらくどんな人間が見ても、この二人が同じ警察官だとは到底信じられないだろう。
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