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「…………仕事だよ。」
そう言って腕組みを解き、背広のポケットに両手を突っ込む。
「最近起きてる連続切断殺人事件の捜査に関する全権を委任だとさ。」
「事件が解決すれば自分達の手柄。被害が広がれば俺等の責任と。
お偉いさんも鬼畜ですねぇ。」
両手に持っていた書類の束を机に置くと、少年は呆れ気味に言った。
「………おい、カイン。
早速で悪いがイッシュに向かってくれ。今すぐに。」
「いつもの勘ですか?」
少年――カインの問いに対して、男の顔は変わらない。
「当たらなければ最高なんだがな。」
「………ところで、俺だけで?」
「ここに他の奴がいるか?」
「………ちなみに」
「拒否権ならないから安心しろ。」
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