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日差しが差し込む空間に響くのは、耳元ではあまり聴きたくないアラーム音。
しかしそれは、先程まで夢の世界に旅立っていた者へ告げる、始まりの音。
「うみゅぅ~………。」
暫くそれを拒絶するかのようにかけ布団にくるまっていたが、観念したのか鳴り響く音を止めるために手を伸ばす。
カチッという音がした途端音はピタリと止み、ほんの僅かに沈黙が支配する。
「うぅ~…………。」
その沈黙も自分で破らなければ何も始まらない。視界を遮っているボサボサの髪を手で払いながら、ゆっくりと起き上がる。
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