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彼女がどんな人間なのかは、服装を見れば大体想像がつく。
白のブラウスの上に黒のベスト。
下は白の飾りをつけたホットパンツ。
少なくともおしとやかと考える人間はいないだろう。
そしてブラックのと色違いの帽子の後ろからは、ふんわりしたような黒髪が飛び出している。
ちなみにこの髪型をどのようにしてセットしているのかは彼女の母親くらいしか知らず、その母親も真実を明かそうとはしない。
いつの間にか、『その真実を知った者は死ぬんじゃないのか?』といういい加減な噂も流れてしまい、今ではカノコタウン七不思議の候補に挙げられているとかいないとか。
「…………30分の遅刻。これで10回連続だな。」
「うっ…………。」
腕時計を見ながら述べたチェレンに図星を突かれ、少女…………ホワイトの肩はピクリと揺れた。
「どうせ髪のセットに時間かかったんだろ?」
「うるさい!あんたは黙ってて!!」
「…………俺がなにしたってんだ…………。」
「元気だしなよ、ブラック…………。」
落ち込むブラックの肩をポンと叩き、慰めの言葉をかけるベル。
「………相変わらずだな、君達は。」
そんな風景を呆れ気味に見つめるチェレンであった。
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