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教壇に上がり、教卓の前に立った。
あ、ほんと苦手だこういうの。たくさんの人の前に立つと、わけがわからなくなってしまう。
「おれの名前、は、暗闇空です。…頑張りたいことは、魔法を覚えることで―」
「ちょい待て」
いきなり柏先生に止められた。
なんかしてしまっただろうか?
「…てことはお前は、魔法を使う家系でも無ければ、中等魔法学校を出たわけでもないんだな?」
「は、はい…そうです」
「はっ、ははは!そんな奴がこの有名な学園に入学してるなんて…冗談だろ!?」
いきなりおれを笑いだした。
出席番号はかなり後ろの方…一番窓側の例、前から四番目にいる奴だった。
なんで笑われてるんだよ、おれは…。
「お前は…マルス・ルシェか?…あのなぁ、確かにこの学園に、今まで魔法をやってこなかった、使ったことがない奴なんて奴は珍しい。下手すると歴史が浅いこの学園では初めてかもしれない」
そんな…そうだったのか。
じゃあおれは何でここに入学できたんだ?
続いて、けどな、と付け足して柏先生は言った。
「これからこの学園で頑張って行こうとする奴に向かってそんなことを言って良い理由にならねぇだろ…!」
柏先生は少し威圧的に、そう言ってくれた。
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