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「私の名前はリリア・ハーティナ。頑張りたいこと…特にないわ。特技というか、得意魔法は火。どうぞよろしく」
凛、という雰囲気を漂わせながら自己紹介を済ませた彼女に教室の皆は何故だか圧倒されていた。
彼女は周りのことなどものともせず、誰にも目もくれず、席に戻っていく。
「驚いた、どおりで…」
郁が何事か呟いていたので、何のことか気になって尋ねてみることにした。
「郁、どうしたんだ?」
「いや…さっきの奴な。あいつあのハーティナ家の奴だったんだ…」
「ハーティナ家?またマルスみたいな有名な家柄なのか?」
「そっか、空は知らないよな。じゃあ『創製の七賢者』は知ってるか?」
『創製の七賢者』…?
なんだろう…何故か知ってるような気がする…。
「さっきどっかのお偉方の一人がその話をしてたけど…わかんねえかな?」
あぁ、そっか。
入学式の最中に夢に出てきたあの話か。
なんであんな夢見たのかやっとわかった。
「すまん。あまり覚えてない」
おれは正直に答えた。
だって眠ってたんだもん、しょうがないよ。
「そっか。じゃあそこから説明だな」
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