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しばらくして自己紹介が終わる。
途中、マルスの自慢気で嫌味な自己紹介があったこと以外は本当に何事もなく終わった。
この後おれ達は放課となった。
「空、帰ろうぜ。お前どこ?」
「あぁ、おれ2号棟だよ。郁は?」
「偶然。おれもだよ」
この学園は全寮制となっている。
1年から3年までそれぞれ3つの寮があり、14クラス分の生徒…1クラス40人前後なので約560人だ。
560人がそれぞれ200人、200人、160人に別れる。
この時寮の部屋はクラスで別れるのではなく、バラバラに決められる。
故に郁は、偶然、と言ったのだ。
「んじゃ行こうぜ、郁」
そう言って帰ろうとしたが、後ろからポンと肩を叩かれ後ろを向く。
誰かと思えば、そこには我らが担任教師、柏将先生が居た。
「お前はちょっと用があるからオレと職員室で話し合いだ」
「えっ、なん…やめてください!引きずらないでぇ」
助けてくれ、と言わんばかりに郁に視線を向けたが、郁は
「玄関で待ってるよ。頑張れー」
と言っただけだった。
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