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「まぁそうカリカリするなよ。別にこれから怒るって訳じゃねぇよ」
「いや、これから怒られるかもとかいう不安でカリカリしてる訳じゃないですよ!
ただここまで襟首引きずられて来たから新しい制服が伸びただろうなって落胆してて…あんたおれの何を見てそう思ったんすか!?」
そう、おれは結局襟首を掴まれたまま離されることなくずっと柏先生に引きずられて職員室までやってきたのだ。
「んだよ、そっちかよ。
いや、まぁ知ってたよ?なんていうか?敢えて?っていうか?お前を試した的な?」
「図星突かれてめっちゃ焦ってんじゃん!てか知ったかかよ!プライド高い中学生か!」
そう言うと柏先生は、かかか、と笑ってこう応えた。
「結構結構。中々良いツッコミだ。これからも頑張ってくれ」
これを聞いておれは、おれの性分、ツッコミ癖を激しく後悔した。
「用事それだけなら帰りますよ?」
周りでは入学式直後だからか、それとも普段からなのか、校舎の大きさの割にはそこまで大きくない職員室で何人もの教師が慌ただしく動いていた。
そもそもこの人の呼び出しは真面目な話なのだろうか。
「そうだな。本題に入ろう」
柏先生がそう言って真面目な顔をするので、おれは一瞬驚いたが真面目に話を聞く気になった。
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