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「話って言うのは他でもない、お前の今後についてだ」
そっか。
おれは魔法を使えない異端児だ。
今後のことをちゃんと考えなければいけない。
いや、学園の在籍は認められるのだろうか?
「お前がこの学園にいるのは、勿論一般入試で受かったからだ。だが今まで魔法に関することは何もやっていなかったのに、よく試験に受かったな」
「それは…親友のツテで魔法学の参考書を貰って必死に勉強したので…」
それを聞いた柏先生の視線が鋭くなった気がしたが、気のせいだったのか、今はいつものやる気のなさそうな顔をしていた。
「そうか…。あぁ、大丈夫、退学なんてことにはならねぇよ」
今一番心配していた事が、この言葉に払拭された。
よかった…いていいんだな、おれ。
「それより、だ。
魔法を使ったことがないということは他の奴らより遥かにスタートラインが後ろってことだ。
その中でまたルシェのように馬鹿にしたりしてくる奴がいるかもしれない。
それでもお前は魔法を学んでいけるか?」
そう言われておれの心は確かにぐらついた。
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