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僕はスパートをかけた。
『りょうだい』もスパートをかけてきたのが、大きくなった足音から感じられる。
横に張り付いてきた。
僕はとにかく抜かされないようにペースを上げた。
心臓が大きく速く脈打つ。
最後の100メートル。僕は最後の気力を振り絞ってさらにペースを上げた。
すぐ近くにあった『りょうだい』の気配が消えた。
最後のカーブを曲がり終えるとゴールが見えた。
とても息苦しい。しかし、そんな気持ちに反して足はさらにペースを上げる。
そして僕は、記録員の前を誰よりも速く通過した。
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