夏の終わり

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夏休みの初日、野球部は最後の大会の一回戦を戦っていた。 僕はずっとベンチで声を荒げて必死に試合に出場しているみんなを応援した。 1点リードされたまま迎えた最終回の攻撃。ランナーは出ているがツーアウト。打席には小柄だが誰よりも強い意志を持ったキャプテンがいた。 全員がベンチから身を乗り出し必死で声を荒げた。 キィン! 打球は平凡なショートフライだった。 試合終了後、僕は泣き続けた。みんなが挨拶をしても、先生が野球部の顧問として最後の言葉をかけてくれても、僕らの涙は止まらなかった… 僕らの一瞬の夏が終わり長い、長い夏休みが始まった。
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