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忘れもしない
2002年、10月8日。
18時過ぎに
家の電話が鳴った。
私は、小さい頃から
霊感のようなものがあって
電話が鳴る数秒前
ぞわっ、となにかを感じて
親機に向かっていた。
向かう途中で呼出し音が鳴り
1コールで受話器を取ると
兄の声が聞こえてきた。
「澪か?母さん・・・いる?」
父になにかあった。
きっと、よくないこと。
もう、手遅れなんだろう。
なぜかそう察知した私は
「いま代わる」
それだけ言って
母に受話器を渡した。
「あんちゃんから。お父さん、もう・・・」
「分かった」
母もなにか感じたのか
それだけ言うと
兄と話しはじめた。
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