3、人形

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その後母は私と"カツオ"を部屋に残し、どこかに出かけていってしまいました。 ごゆっくり。 と、言い残してです。 恐怖で鳥肌が立ちました。 "カツオ"は鞄の中から赤いロープを取り出し、それで私の手足を縛りました。 身動きのとれなくなった私の体を"カツオ"はぎゅっと抱きしめ、耳元でこう囁きました。 大丈夫。これは"おじさん"と"かなへちゃん"が仲良くなるための儀式だからね。 本当の仲良しになるためには必要なことなんだよ。 わかるかな? わかるよね? もう少し楽にして良いよ。 緊張するのは分かるけど、そんなに硬い表情じゃ人形みたいじゃないの。 それとも僕専用の人形になってくれるのかな。 なーんてね。 "かなへちゃん"は人間の女の子なんだから。 ね?  僕に全てを委ねてごらん。 直に気持ちよく…いや良い気分になるはずだよ。 と。 私はあの時5歳ですよ。 この言葉が何を意味しているのか知る由もありません。 口の中に舌を突っ込まれ、のどの近くまで舐められました。
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