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『3月3日。たしか今日は…日曜日、だったと思います。
世間では"ひな祭り"という女の子の日のようですね。
一般家庭では雛人形を飾ったりするようですが、私には無縁のことです。
さて、私は今から死のうかと考えているのですが、私がこの結論を出すまでの経緯をここに記録しておきたいと思います。
私は3人家族の1人娘でした。
あれは8年前だったので私は4歳だったと思います。
アパート暮らしという点は今とは変わりませんでしたが、
あの時はまだ…
―なんという言葉で表現すれば良いのでしょうか?
温もり…温かいというのが一番適切かもしれません。
そう、私の家族にはまだ温かみが残っていました。
テーブルを囲んで食事をしたり、
近所のスーパーに出かけてお菓子を買ってもらったり、
公園にブルーシートを敷いて母の手作りお弁当を食べたり…
多分私は楽しいと感じていたと思います。
多分という表現を使ったのは私が楽しいという感覚を忘れてしまったからなのですが…。
しかしある日、私の人生が180度変わってしまうある事件が起こりました。
お父さんが…死んだのです。
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