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カラスはワゴンに気付かない「バンッ…バサバサバサ」…鈍い音が雨にかき消される。
一匹のカラスが無残にも轢かれてしまった。その周辺には散らばった羽が黒く黒く周辺を黒く染め上げた。
ガチャ「あーあ、またやっちまった。まあいいか」
男はワゴンから降りると冷静に言い放つとワゴンに乗り込み過ぎ去った。
森の中、雨が全てをかき消すようにまだ降り続く。
一匹となったカラスはその場所から離れず過ごしていた。
季節が幾度も変われどカラスは去ることはなかった。
もう一匹の無残な姿をこの世に残すようにあの日の出来事を森の軌跡にするよう一枚の黒い羽根を残して。
あれから何年かたったある日、その日は雨だった。
森はいつもの様に静かで何事もなかったように全てを洗い流している。
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