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『なぁ、散歩付き合って』
「あー、じゃあコレ置いてくる」
とか言って急いで家に戻りコンビニ弁当を置いているオレ。
近所でしかもタメとくれば、物心つく前から一緒に遊ばされる。
大人のエゴ、そんなもんだ。
いわばオレ達は双子同然だ。
なんだかんだで、オレはヤツといるのが楽しい。
「おいルビィ、相変わらず大きいなお前。」
テレパシーは諦め、ちゃんと発声しておいた。
犬はまぁ、シカトだ。
すこし寂しい。
『お前、犬にもなめられてんのか。かわいそうだな。』
ヤツの無表情はいつ見ても冷た過ぎる。
ダイレクトに傷つく。
「中学同じクラスになっても喋ってやんねー…って、ニヤニヤすんな!!」
ヤツはドSだ。
オレの傷ついた顔が好物だ。
『あははっ!あーほんとガキだな、毛ぇ生えてんのか?お前』
「え」
『…あー、わりぃ。まだなんだな、ごめんごめん』
オレの肩をポン、ポン、とするヤツの行動が無性に恥ずかしさを引き出した。
「はっ、生えてるよ2本…ってニヤニヤすんな!」
『…ぶふっ!』
オレは昔からヤツにガキ扱いされる。
タメなのに。
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