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近所の公園。
ヤツはブランコに腰掛けた。
オレも隣のブランコに腰掛ける。
ルビィはリードを外され、自由に砂場に入ったり芝生に鼻を近付けながら歩いたりしている。
平和な夕暮れ。
『もうすぐ中学生かー』
キィ、キィ、と真隣のブランコがゆるく前後し弧を描く。
「だな、早いもんだなー」
オレもいつの間にかブランコを漕いでいた。
『あーそうだ、中学生らしくお前さぁ、もうちょい男らしくなれよ』
「余計なお世話だ…」
『いやマジで。そしたら多分、てか予想だけど、お前結構モテると思うよ』
「…余計過ぎるお世話だ。」
モテるという単語に一瞬つられたが、平然を装った。
『ニヤニヤすんなよ気持ちワリ』
平然を見抜かれた。
ヤツの無表情は冷た過ぎる。
故に傷つく。
「…!ニヤニヤすんなドS!」
『…ぶふっ!!』
オレはなんだかんだで、こいつといるのが楽しい。
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