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１５歳。
この世のあらゆるものが憎らしかった。
全てを壊して投げて折って、ぐちゃぐちゃにしてやりたくなった。
家具も携帯も教科書もアルバムも友情も自分自身も。
全てが憎い。
こんな世界もう、うんざりだ。
何もかも放り投げて途方に暮れていた。
１７歳。
君に出会えた。
温かくて優しくて。
そんな君が心から愛しかった。
初めて、世界が美しく見えた。
そんなこと、とっくにわかっていたはずなのに。
博樹哉(ﾋﾛｷﾊｼﾞﾒ)。
今年でもう２５歳。
そろそろ、空に手が届くんじゃないか。
そう思えるくらい立派に生きてきた。
けど、君のいないこの世界の空は…なんてくすんでいるのだろう。なんてちっぽけなんだろう。
もうあの頃の蒼さは何処にもない。
…俺は、この世界が嫌いだ。
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