届かない距離

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静夜が戻ってきた。 不機嫌そうな顔をしたまま。 雪は知らん顔で寝てるあゆに話し掛けてた。 何で雪は静夜を指名したんだ? 俺は二人の間に流れる微妙な空気を不思議に思った。 最初の日以来、雪と静夜が笑いながら話してるところを見た事ない。 むしろ日を重ねる度に険悪になってる気がする。 「あゆ、あゆ?もう帰る? せっかく冷くんいるのにもったいないぞー。」 俺的には起こさないで欲しいんですがね。 「…んー …帰らないー。」 願いは虚しく早々と起きた。 「あ、えー!もう! 冷様いるのにあゆ寝ちゃってたのぉ!?超ショックー最悪」 しょんぼりしてるあゆの頭を撫で 『まだいるからさ』 と言えばあゆはやったぁ!と嬉しそうに笑った。 なーんて、もうすぐ抜かれるけどね。 あゆのシャンパンに触発された俺の客達が入れたシャンパンの為に続々と準備がされてる。 安いシャンパン一本で俺を独り占め出来るなんて思われちゃ困る。
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