冷の過去

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そんで、いつもの様に街で伊織と遊んでる時。 なんかすげー良い男にナンパされた。 まぁホストのキャッチね。 そいつは俺を見て 「君は…絶対売れるよ。 俺を信じてみない?」 高校の卒業間近。 難関と言われる大学にも合格してた俺。 だけど、なんだか俺はその男に魅せられて 『やる』 「え?!!」 気が付いたら二つ返事でOKの返事をしてた。 俺の返事に驚いてた伊織は彼女が大事だからと断ってたけど。 「はい、じゃあ俺の名刺。 明日…あいてる?」 『はい』 「じゃあ5時に新宿ね。着いたら電話ちょうだい。 待ってるからね。」 そう言うと彼は颯爽と去って行った。 スラッと伸びた足。 高そうなスーツ。 綺麗な顔。 いや、俺のが良い男だけどさ。 瞳が… 目がなんか怖いくらいにすげー綺麗だった。 こんな一瞬の出会い。 これが俺と和樹さんの出会いだった。 「おい!!遥!よ・う! お前大学はどうすんだよ!?せっかくあそこ受かったのに!! てかホストやる程お前の家金に困ってねーだろ!? しかもキャバの金くれる女いんじゃん!! おい!聞いてんの?何でホストなんかやろうとしてんだよ?!」 隣でギャーギャー騒ぐ伊織の言葉なんか耳に入らない。 だってあの人に着いていけば、俺の中で何か変わる気がしたんだ。
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