プロローグ

4/4
前へ
/61ページ
次へ
『あぁ?!ぐだぐだうっせーな。もう切るわ。』 電話をしながらタクシーから降りてくるスーツ姿の男、俺。 『チッ』 だりー客だ 舌打ちをしながらマンションへ向かう。 さみーな。今日。 あぁ、もう冬か ――。 「さむーっ!ちょっと静夜寒いっ!」 「ったく。しょーがねーなぁ!」 手を繋いで仲良さそうに前を歩く二人。 後ろから見る雪の華奢な体。 「うちらも手繋ごぉ?」 『無理』 そんな二人とは正反対の俺ら。 ――。 こんな夜は 雪の事を思い出す。 いつも冬になると寒がってたお前。 今年も寒がってんのかな 「会いたい」『会いてぇ』 空を見上げ、心でそっと二人は呟いていた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

181人が本棚に入れています
本棚に追加