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『あぁ?!ぐだぐだうっせーな。もう切るわ。』
電話をしながらタクシーから降りてくるスーツ姿の男、俺。
『チッ』
だりー客だ
舌打ちをしながらマンションへ向かう。
さみーな。今日。
あぁ、もう冬か
――。
「さむーっ!ちょっと静夜寒いっ!」
「ったく。しょーがねーなぁ!」
手を繋いで仲良さそうに前を歩く二人。
後ろから見る雪の華奢な体。
「うちらも手繋ごぉ?」
『無理』
そんな二人とは正反対の俺ら。
――。
こんな夜は
雪の事を思い出す。
いつも冬になると寒がってたお前。
今年も寒がってんのかな
「会いたい」『会いてぇ』
空を見上げ、心でそっと二人は呟いていた。
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