素直じゃない

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「もぉー雪飲めないー!」 あ、酔っ払うと雪は一人称が名前になるんだ。 …可愛いじゃねぇかよ。 「あゆー」 ! いきなりあゆに抱き着いて頬擦りしてる…。 『え、雪ちゃんいきなり大分キャラ違くない?』 「面白いでしょ? …雪は…いつも周りに…あ、あゆにもね強がってるんだよ。 雪には踏み入れちゃいけないとこがいっぱいあるから。 飲んでても極限まで我慢して平気なフリするんだけど、突破したらこうなるの」 小声で悲しそうに話すあゆ。 「雪のあゆと何話してんだぁー!!」 あゆの膝に頭を置き上目遣いで睨んでくる雪。 「雪こっち来いよ。」 「ほら雪ー。静夜くんが呼んでるよー?」 「せぇや、手ぇー!」 !? 雪がそう言うと静夜は雪の腕を掴んで自分の方に引き寄せた。 「えへへっ」 静夜に抱き締められて幸せそうに笑ってる雪。 なんだよ。これ その顔を見た瞬間に、心臓がわし掴みされたように痛かった。 【雪はいつも強がってる】 強がりという鎧を脱いだ雪は ただの静夜の事が 大好きな女の子だったみたいだ。
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