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「相変わらず早希ちゃんと一緒なんだ」
「ああ」
「そっか。ところで一緒の学校なのに会話すらしないんだ」
「負い目を感じてるから」
「なるほどなるほど」
「!」
鉄の塊が飛び出し、俺を吹き飛ばした。
地面に倒れてから頬のヒリヒリする痛みとパーにした彼女の手に気付く。
俺はビンタされたのか。
「これで精算完了。早希ちゃん可哀想だから付き合いなよ」
そう言って彼女は公園のベンチに座る。
待ち合わせ場所である公園。
近くを通ってやっと決意した公園。
そして近くなのに届かなかった公園。
今はこんなに楽だ。
「さ、私は次の恋に進むか。じゃあ優も次の恋に進みなさい」
彼女はいい笑顔で笑うと走り去ってしまった。
自然に笑みがこぼれた。
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