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「ほい。じゃあミキ、最後のトリね」
ヒロからのパスを受けて俺は立ち上がった。
「あ…えっと
神方大学ピアノ科2年 有田美輝(ありた みき)です。
あだ名はミキで、好きなジャンルは…、恋愛モノ…と…」
「と、何?」
シアが続きを尋ねる。
俺はできる限り小さな声で呟いた。
「……恋愛モノ、のみ」
「ぶっ!!」
途端にチャミとシアが頬を膨らませ口元を抑えた。
元々知ってるヒロはニコニコと笑っている。
ユノは反応なし。
「あっははは!似合わないですよミキ」
「うはは、なんか意外だねー!」
「うるさいっ、笑うな!」
なんだよ、なんだよ。
やっぱり言うんじゃなかった。
猛烈に恥ずかしくって口を尖らせ拗ねていると、黙ってたユノが口を開いた。
「別にいいじゃん」
「…は?」
「俺も1番好きだし。恋愛小説」
ユノは楽しそうに「そだ、恋愛小説といえばこの前本屋でさぁ…」と話し出した。
その自然過ぎる流れにポカンと拍子抜けする俺。
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