19/20
123人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
「ほい。じゃあミキ、最後のトリね」 ヒロからのパスを受けて俺は立ち上がった。 「あ…えっと 神方大学ピアノ科2年 有田美輝(ありた みき)です。 あだ名はミキで、好きなジャンルは…、恋愛モノ…と…」 「と、何?」 シアが続きを尋ねる。 俺はできる限り小さな声で呟いた。 「……恋愛モノ、のみ」 「ぶっ!!」 途端にチャミとシアが頬を膨らませ口元を抑えた。 元々知ってるヒロはニコニコと笑っている。 ユノは反応なし。 「あっははは!似合わないですよミキ」 「うはは、なんか意外だねー!」 「うるさいっ、笑うな!」 なんだよ、なんだよ。 やっぱり言うんじゃなかった。 猛烈に恥ずかしくって口を尖らせ拗ねていると、黙ってたユノが口を開いた。 「別にいいじゃん」 「…は?」 「俺も1番好きだし。恋愛小説」 ユノは楽しそうに「そだ、恋愛小説といえばこの前本屋でさぁ…」と話し出した。 その自然過ぎる流れにポカンと拍子抜けする俺。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!