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あの日以来、俺はサークルで集まるたびに顔をだすようになった。
生意気だったチャミも
うるさいシアも
小言の多いヒロも
食えない男のユノも、
いつの間にか俺の大事な"仲間"になっていた。
残念なことにこのサークルはなかなかイケメンが揃ってるのにも関わらず、全員相手がいない。
そのせいもあってか、会う頻度はまるで恋人のよう。
最初のうちは、野郎ばっかで集まって何が楽しいんだと心の中で罵倒していた俺だが、いつの間にかこれが普通になっているから不思議。
今日も講義が終わってから喫茶店に立ち寄った。
ドアを開けると、すっかり見慣れた背中が目に入る。
俺は小さくはぁ、と溜め息をついた。
「また俺の特等席奪いやがったな」
「いつ誰が、貴方の場所だって決めたんです?」
振り返ったチャミがふふん、と生意気に微笑みながら長い足を優雅に組み替えた。
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