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ラブレター第1章 気ままな旅立ち
私の名前は、大空真一。趣味は、音楽とドライブ。
ある夏の朝、真一は無造作にオープンカーに乗り込み高速道路を南方向に走らせ目的もなく、気ままに車を走らせた。風達は、真一のロングヘアーを撫でるかのように真一の髪を揺さぶっていた。
長く続く直線道路、風の叫びと共にロック・ブルースが調子を合わせて流れている。真一の心もいつしかブルースのリズムに乗って体を小刻みに動かしていた。高速道路の両脇には、青く茂った草木が速足に過ぎ去っていく。
真一の年齢は、30歳。オープンカーの横の座席に座ってくれる彼女がいるわけでもなければ、まして結婚の話もない。いつも孤独な時を過ごしていた。
車を走らせてから何時間が経ったのだろうか、昼12時を回っていた。
高速道路を出て、1時間ほど走ったと思う。そこは、都会から遠く離れた不慣れな郊外の海辺に着いていた。
太陽が力いっぱいにも穏やかに、空は開け、海は風に乗り早口の会話を楽しむかのように小刻みに動き、白い砂浜に打ち返していた。
その光景は、私を迎え、自然の中へ溶け込ませてくれるに十分だった。私は、砂地より腰を上げ、少し焼けた砂浜を少しずつ歩き始めた。
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