ラブレター第3章 異次元の世界への旅立ち

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ラブレター第3章 異次元の世界への旅立ち

 時期はもう秋、ベッドについて本を読んでいたのだが仕事の疲れもあってか、明かりを付けたまま寝入ってしまっていた。  私は、空間とも思える真っ暗な道なき道をどことも知れず、どこに行くかも分からず歩いているような気がした。  辺りには何もなく方角さえも全く分からない。ただ真っ暗な闇があるばかり。どのくらいの距離歩いたのだろうか、いや何万キロも歩いたほどに疲れ、汗をかいていた。もうこれ以上歩けないと・・・・。  私の体は闇の中へ吸い込まれるように足は崩れ、倒れてしまった。  私には、まだかすかに息があった。ぼやけた目がそれとなく前方を見つめると、少し距離はあるが何やら小さな光がぼんやりと見える。  私は、何とかその近くまでたどり着くと、それは私が海辺で見つけた茶色く少し大きめの種であることに気が付いた。  その種は、自ら発光し今まで知っていた種とは全く様子が違うもののようでもあった。透き通った真珠の輝きの光沢を思わせるようでもある。  私は、その種をもっと知りたく中を覗いてみたく思った。そう思いながら私は、その種を拾い上げて手の平に乗せたその瞬間、もう私の体は通常の常識を超越して種の中に吸い込まれていってしまった。
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