プロローグ

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俺は蠣崎陸也。公立高校に通う、高校1年生。まあ、あと1ヶ月くらいで2年生に上がるけど。 今は春休み中で、家のソファーで横になりながらテレビを見ている。 そう言えば昨日も同じ事していた気がするな…。 「お兄、昨日も横になってたじゃん。春休みだからって家でゴロゴロしてないでよ」 俺の妹の香奈が、嫌味っぽく言う。 化粧してるから、これから彼氏とでもデートだろうな。 「うるせーなー。休み期間に休まないで、いつ休むんだよ」 「お兄は毎日休んでるようなもんじゃん」 痛い所をついてくるな。 「つか、ハヤトが来るから早く家出てよね!」 なるほどな。だから俺を家から追い出したかった訳だ。 関係ないけど、ハヤトって言うのか、彼氏君の名前は。 俺は一つ溜め息をついて、リビングから出た。 「部屋にいてもダメだからねー!」 香奈の下から叫ぶ声が聞こえた。 「完全に家から出て行けって事ね…」 俺は更にもう一つ溜め息をついた。
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