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「あいつらにも困ったもんだ」
ため息をつきながら階段をあがり屋上を目指す。
何となく思いついた場所なだけだけど…
鉄の扉を開けると、春風とともに春の陽射しが眼に刺激を与える。
「んっ?誰かいるな…」
後ろ姿しか見えないが、格好から女子だとわかる。
俺に気づいていない。
周りをみてもカノジョしかいないところを見ると、屋上はあまり人がこないみたいだ。
とりあえず俺はそこにあるベンチに腰掛けた。
ベンチの上には可愛く包まれた弁当箱…が……
「弁当教室に置きっぱじゃねか!やっちまったなこれは」
今更教室に戻る勇気もないから、今日は昼飯抜きというツライ現実に当たり落ち込む他ない。
「望月くん?」
「はい何でしょうか?
えっ!?」
反射的に答えてしまったけど、顔をあげるとそこにいたのは………
「姫川!?………さん」
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