122人が本棚に入れています
本棚に追加
―――
――
―
「うん! 美味しいこの卵焼き!」
「ほんとに!? よかった望月くんの好みに合って」
さすがに半分ずつは悪いと思ったので、俺が好きな卵焼きをいただくことにした。
甘さも焼き加減もちょうどよく美味しかった。
「俺甘い卵焼き好きなんだよ! 全部手づくりなの?」
「うん! 今日から毎日私が作るつもりだよ。望月くんは作らないの?」
「俺は料理苦手だから妹の若葉が作ってくれるんだよ……」
母が亡くなってからは、若葉が俺の身の回りの世話してくれている…
本当に若葉には感謝している…
「どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ。それよりご馳走さまです!」
俺が落ち込んだら気を遣わせちまう。
そんなのは嫌だ。
「お粗末さまです。それより望月くんと間接キスしちゃった!」
確かに箸は姫川さんのしかなかったから、そうなるんだけど…
「恥ずかしいから、そんな元気に楽しそうに言わないで下さいよ!」
「嫌だったのかな~?」
「嫌じゃない! 恥ずかしいだけ!」
人をからかうように笑っているけど、こんなに性格が明るいんだと知ることができた。
最初のコメントを投稿しよう!