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「約束っていうか何と言うか……
ただ、おれたちの間で遠慮する必要はないと思う。
寒いなら寒い、一緒に帰りたいと思ったら素直に言ってくれたほうが俺は嬉しい。
知らなかったとはいえ、一葉さんを待たせてしまっていたという事実がつらいから……
おれはもう、親しい関係だと思っているからさ!」
こんなことしか言えないけど、おれの精一杯の答え……
「えっ!? 一葉さん泣いてるの?」
なんか変なこと言ったかな…
「ううん違うの! そんなふうに思ってくれてたなんて、嬉しくて自然と……悲しい涙と嬉し涙が、それぞれ違うところからでれば誤解されないのにね!
笑顔で涙をぬぐいながら彼女は言った。
「そうなったらおれは嬉しいな」
そんな冗談を言い合って、自然と笑い合っていた。
今日は女の子を二人も泣かしてしまった……
悪いことが起こらなければいいんだけど……
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