初めてのこと

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「……ごめんなさい…」 「もう大丈夫だから、謝らないでいいよ」 温かいココアがテーブルの上で湯気をたてる。 さっきからこんな調子だがら逆につらい。 「無神経で最低な人……って言えば気が済む?」 「えっ……」 おれの言葉に驚く顔が見えたが、さらに哀しい表情になった気がした。 「一葉さんが、自分が悪いって思っていても、実際責められたらつらいと思う。 言ってるおれがつらいし……。 おれの周りの大切な人たちが傷つくのは嫌だから、そんな哀しい顔しないで……」 「…うん、わかったよ。 陽くんから、そんな本気なセリフ言われたら、立ち直れなくなっちゃうもん! わたしは元気ですよ!」 !! 天に向かって両腕いっぱいにあげてるけど、 「あの、ゴメン……へそ見えてます…」 「きゃあ!! もう陽くんのえっち!」 おれが悪いのかな? まあ笑って、場も和やかになったからいいや。 「そんなもんしか出せないけど、冷めないうちに飲んで。おれ荷物おいてくるから」 「わかりました! ………ねーねー陽くん……もっと見る?」 「見んわ!!」 おれは駆け足で自室へ向かった。
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