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「そうですか…。
誠に言いにくいのですが…。
育児放棄により、乳児の死者が連発しまして…。
そればかりか、死者を冒涜するような事件も多発。
さらに運悪く、地球規模での環境の汚染も多発しまして…。
世情も悪くなる一方で大変混乱しつつあり。
嘘が真となり、真が嘘となるような状態。
そこで地球と、ソドムとゴモラの都市を比べられ、ソドムとゴモラの都市の方が、まだマシだったのかもしれないと、お考えになられたのです。
…テレビで、見られて…。」
「そうか…。人の業でそう判断したのか…。」
アインの話しを神妙に聞き、鬱になってた勇人だったが、セリフの中の聞き捨てならない言葉に、勇人のツッコミセンサーが敏感に反応した。
「テレビで判断したのかよっ!?
神様が!?。」
「だから「誠にに申し上げにくい」と言ったのです!!。
神様がテレビの影響を受け易いだなんて…。
まあ、神様もなかなか多感な方でして…。
前なんて、バイオハザードのゲームのやり過ぎで、寝不足になられて…。
世界がゾンビで埋めつくしてると、寝ぼけて地球を滅ぼそうとしてましから…。」
「お前んとこの神様は本当に大丈夫なのか?。
てか中学生か?中二病か!!
執事のお前がいなくて大丈夫なのか!?。」
勇人の迫るようなその問いに、アインはドンと胸を叩いて自信を持って答える。
「それは大丈夫です!!安心して下さい。」
「本当か…?。」
更に顔を近づけて、問い詰める勇人。
「…た…………たぶん…。」
アインが冷や汗をかきながら、目線をそらしぼそりと返すと、
勇人の不安が、別の方向からムクムクと沸き起こるのだった。
「話しを変えよう。アイン。
問題は残りの選ばれた人間だよ…。
俺達は本当にこのままで、そいつらに出会えるのか?。」
「そこいら辺は、心配はいりません。
神様はノリノリで地球を滅ぼそうとしてましたが、出会え無いというイジワルをする程の方ではありませんよ。
そこら辺は、私が重々存じております。ハイっ!!」
アインは今度こそ、自信満々に笑顔で答えた。その表情と態度から、勇人は今度は間違いないと判断した。
「そうか…。神様の執事だったお前がそこまで自信があるなら…。」
勇人は、アインの言う事を信頼しだしていた。
逆にアインも、勇人の事を信頼していた。
疑う事も信じる事も出来る関係…。
二人の関係はそう変化していた。
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