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ほどなくして先生が入って来た。
若い女性の先生だ。
「ハイ!皆さん静かにして下さい。
皆さんそれぞれ自分の席へ座って下さいっ!!。」
蜘蛛の子を散らすように、皆席へと着いていく。
勇人はアインに、何か一言しゃべりたそうにしたが…。仕方なく席へ着いた。
教室内が静かになり。
先生が一通り、子供達と親達の顔を見回してから、明るい声でしゃべり始めた。
「今日から皆さんに、色々なお勉強を教える事になりました。若林珠美です。
皆さんがこれから、この小学校で学ぶのは、国語や算数や理科や社会以外にも、色々と学ばなければなりません。
体育や音楽の事だけでもありませんよ。
学校とは勉強する場所と同時に、
人と人。
君たちとお友達とが触れ合う為の、マナーやお付き合いを学べる場所でもあるんですよ。
皆さん、クラスメイトのお友達や、学校のお兄さんお姉さん達と、仲良くしましょうね。
ついでに先生の事も、よろしく仲良くして下さいね。」
先生の自己紹介と軽い学校の説明を終えると、今度はクラスメートの自己紹介が席の順で始まった。
教壇の前に立ち、一礼して自分の名前と好きな事、コレから小学校で何をしたいかを説明するだけだったので、比較的サクサクと早く進んでいく…。
ほどなくアインの番になった。
「矢城 アインです!!。
好きな事はテレビゲーム。
懐かしのレトロゲームも好きです!!。
特にファミコンジャンプが最強だと思ってますっ!!。
私(わたくし)、給食という物に昔から憧れてまして、何だかワクワクして来ました!!。
よろしくお願い致します!!。」
『アインのやつ…。
テンション上がり過ぎて、素がモロに出てやがる!。
しかし、あいつ趣味がレトロゲーって…。ファミコンジャンプって…。
渋すぎだろう…。』
勇人は心の中でアインにツッコミを入れた。
最近は勇人も、思考の切り替えにも慣れて来て、子供状態の意識になろうとした直前である。
何か異様な違和感を、勇人は感じた。
思わずアインを見ると、アインも同じ違和感を感じたのか、勇人の方を見合わせてお互いの目があった。
目配せをし、二人がその違和感を目で追うと、一人の男の子が教壇の前へと立ち。
一礼して自己紹介をしようとする直前だった。
その男の子は、髪は短めで肌は日焼けで浅黒く。
見るからに活発そうな男の子で、無駄に大きな元気な声で自己紹介をし始めた。
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