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「目覚めは流々…ボクは如何?」 眠りから覚めた僕を迎えたのは、真夏の暑さと、意味が分からない台詞と僕にのしかかる縁が僕の顔に近付けたその顔だった。 「いらないから、のけ。」 溜め息を吐きながら、縁を右腕で払うようにどけた。 部屋には僕のベッドとそのすぐ左下敷き布団が一つ。 縁とは言え女の子を敷き布団で寝かせるのは何故か抵抗を覚えたのでベッドで寝かせたのだけど、縁がベッドからずっと僕の顔を覗いていて少し鬱陶しかった。 「さて、何処から探そうかね、ユカリ君。」 布団を片付ける僕をよそに、窓から辺りの風景を見ながら言う。 真夏の猛暑日、本当に暑い。 扇風機の風が僕を通り過ぎて、縁の方に向かう。 「ところでユカリ君。」 神妙な面持ちで僕に迫る縁。 僕は布団を持ちながら少し後ろずさる。 「あの壊れた冷房は修理しないのか?昨夜は暑くて死にそうだったぞ!」 訴える様に僕の肩を揺らす。 「人んちに押し掛けて随分と我儘な。」 むぅ、と縁は唸った。 「しかしユカリ君。君に遭えて本当に助かったよ。君に逢わねばボクは身体を売るつもりだったからね。身体を売ってまでも青い鳥を探さなければいけなかった。」 僕を見て言う。 「おいまさか今まで売春行為なんて…」 「馬鹿か君は。ボクが君以外と性交なんてするもんか。」 顔を怒らせて僕に言う。 いやいや、今君が言ったんじゃないか。 しかし、この調子だと、まさか…。 いや、まぁ良い、良い事にしておこう。 「だから最悪そうしなければしない程ボクには大事な事なんだ、だから頼むよ、ボクの処女は君に捧げるから」 思わず吹き出す。 何処まで本気で何処までが冗談か分からない。 痛い程の好意は、分かるんだけど。
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