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視野はそびえ立つ建物により日光を防がれての為か、どこか薄暗く感じる。 猫が身軽く飛び跳ねる様に通り過ぎて行く。 「いないな、青い鳥。」 暫く寡黙になっていた縁は、静かに頷いた。 青い鳥など、いないのだと僕は再び強く思った。 いたとしても…、そう簡単に見つかる訳も無いだろう。 「とりあえず今日は帰ろうか。」 そう縁に呼び掛けると、そうだね、明日にしようと笑顔でこちらに応えた。 そのまま歩を進め大通りへと合流を目指す。 やはり人の流れは凄いもので遠くから見ても十分にそれが分かってしまう。 ふと空を見る。 建物に挟まれた此処から見える限られた空。 何故か、今にも青い鳥が飛んで行きそうにも思え…。 「あ。」 頭の中に何かしら異変が起きた様に思えた。 心臓がドクンと跳ね上がる。 今、その限られた空を横断した一羽の鳥。 それを捉えた僕の目には、間違いなく、間違いなくそれは鮮やかな青い色をした鳥に見えた。 「あ、青空と混合したか?」 そんな事を咄嗟に口走り、顔を下げた瞬間。 血流の流れが一気に早まったのだけが確かに実感出来たし、頭の中は確実にそれだけを考えていた。 しかし目は。 目は死んだはずの、交通事故で頭を強打し死亡したはずの両親が手を繋いで向こうの裏道、通路から此方を見ているのを捉えていた。
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