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同姓同名の幼馴染み、しかもそれが異性というのは実に面白い。物心ついた頃から傍には彼女がいた。
家が隣近所、新しく出来た住宅街に偶然同じ姓の家庭が新しい家を建て、そこにいた各家庭の赤ん坊が二人とも同じ名前だと言うのだから、偶然というのも信じがたく、何かしら陰謀があるのではと疑うくらいだ。
同姓同名の二人は、名前こそ同じだがその実は正反対と言っても良かった。
明るく活発で体育会系な女の坂本縁。
物静かで、読書大好き、文化系の僕。
思えば幼少の頃は本当に彼女に振り回されてばかりだった。
まぁ当時は彼女は僕の事を大好きであったし、僕も彼女の事を大好きであったから良好な関係を築けていたんだろうけど。
だが、男と女、やはりその異性という違いは二人の間に歪みを起こすのには十分な要因だったと言える。
中学3年、当時身長165cmだった僕とあまり背丈が変わらない彼女は、スタイルも男子にしてみれば非常に理想的なものだったし、ルックスも最高級レベル。
何人の男子の夜のオカズとなったか分からない極上品だった。
まだ仲が良かった僕が被害を被る事もあったが、それも全て彼女が守ってくれた。情けないけど。
間違いが起きたのはその中学校3年の時、思春期の頃、僕は彼女に犯されそうになったのだ。
彼女は僕が大好きだったらしいが、僕は残念ながらそうでもなかった。
彼女は本当にスタイルも良いし、その少し変な性格を除けば、学校中のアイドルだったとも言えなくは無い。
だから、だからこそ僕の中には嫉妬と無気力の感情が流れ始めていた。
同じ名前なのに、そこまで差があるのか、と。
そしてそんな彼女に犯されるなんて当時の安っぽいプライドは許さなかった。
その時、溜まりに溜まった僕の感情は爆発に爆発し、彼女を傷つけると共に、僕は彼女を一切拒絶した。
彼女は勉強は並には出来たが、僕程に優秀な成績は出せなかった。
だからこそ僕はそれを利用し、彼女が幾ら足掻いても行けなさそうな高校に進学し、そして国内随一の大学に進学し、今に至る。
だから中学校以来彼女とは一切話して無かったのだけれど、その彼女は今僕の部屋の、僕のベッドで安らかに眠りについている。
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