7人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
俺は込み上げる感情を唾と一緒に飲み込んでシャーペンを走らせる。
すると彼女も頃合いを見計らいながら返事をくれる。
「擬人化好きだよ。てかオタクなだけwww
あ、自分は三組の伊藤です」
「おー!この高校でオタッキーな人初めて見ました!」
「さすが真面目さ売りの学校…少ないです」
まさに他愛もない会話…いや一応文通か?
往復する赤色の生徒手帳。
そしてそれが丁度俺の手元へ渡った時、
「以上で集会を終わります」
もう終わりか…。
さっきまでとは真逆の感情。
俺は彼女に目配せするとそこを立ち上がり体育館を後にした。
ふぅ…と一呼吸。
そして俺はポケットから携帯を開き友人「神谷春樹」へメールを送った。
「森田さんとのコンタクトに成功!」
最初のコメントを投稿しよう!