一・スカイブルー

2/5
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
玉子をフライパンに落とす。 ちらりと壁掛け時計を見る。 現在7時30分。 ―そろそろだ。 目玉焼きをレタスをしいた皿に乗せた。 茶碗にご飯を盛る。 二人分の朝食が完成した。 私はミルク。ニコちゃんはブラックコーヒー。 玄関の開く音がした。 「おはよう」 「ニコちゃんおはよう!できてるよ」 ニコちゃんはわずかに頷いて椅子にかけた。 「リク…何回も言うけどさ、鍵開けっぱはダメだろ」 ニコちゃんは目玉焼きをご飯にのせて食べる。 「いつもは閉めてるよ。朝はニコちゃん来るから開けるだけ」 「嘘つけ。いつもかけてないだろ」 「ちゃんとかけてるよ」 私は口を尖らせた。図星だ。 「最近物騒だから気をつけた方がいい」 「はあい」 いつもの日常。 変わらない朝。 私達はずっとこのまま、一緒。 「鍵かけた?」 「かけた!行こ」 見上げた空は青く晴れ渡っている。私達は並んで、学校へと向かった。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!