五・チョコレート

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あれから、リクは何も聞かない。 でも、いつもと同じ朝は少しぎこちない。 あたりさわりない話題。 面白くない会話。 少しもどかしい。 どうすればいいのか解らないまま、卒業旅行の日になった。 朝、リクの家に寄った。 顔が見たかった。 出て行くとき、背中ごしにリクが呟いた言葉が、チクリと刺さった。 「私もニコちゃんと卒業旅行、行きたかったよ」 ドアが2人を分けて、俺は歩き出した。 「…何やってんだ、俺…」 ため息と一緒にこぼれた。
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