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あれから、リクは何も聞かない。
でも、いつもと同じ朝は少しぎこちない。
あたりさわりない話題。
面白くない会話。
少しもどかしい。
どうすればいいのか解らないまま、卒業旅行の日になった。
朝、リクの家に寄った。
顔が見たかった。
出て行くとき、背中ごしにリクが呟いた言葉が、チクリと刺さった。
「私もニコちゃんと卒業旅行、行きたかったよ」
ドアが2人を分けて、俺は歩き出した。
「…何やってんだ、俺…」
ため息と一緒にこぼれた。
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