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二・フラミンゴピンク
「はじめまして、今日隣に引っ越して来た小野田です」
そう言ったのは、ニコちゃんのお父さん。
優しそうな、笑顔の柔らかいお兄さんって感じがする人。
「あらまぁ、吉高です。こっちは娘のリク」
「リクちゃんかぁ可愛い名前ですね。いくつ?」
「…5歳」
手をパーにして見せた。
「ああ、じゃあ家のヨウジと一緒だね」
おじさんは嬉しそうに目を細めた。
「ヨウジ!こっち来て挨拶しなさい」
おじさんの後ろから姿を見せたのは、私と同じくらいの背の男の子。
ピンクのパーカーがよく似合う可愛い顔。
「まあ、リク良かったわねぇ仲良くしてね」
「おのだようじです」
「わたしはよしたかりく」
ニコちゃんはあまり笑わない子だった。
それは、今も。
「家でいっしょに遊ぼ」
私はニコちゃんの手を引いた。
「ヨウジ君は家で見てますから」
お母さんが言うと、おじさんはお願いしますと言った。
「ようじ君、ピンクのお洋服かわいいね」
ニコちゃんは軽く頷いた。
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