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4歳のサキの引き取り手は
なかなか決まらなかった。
「連れて帰ります」
声を上げたのは,
サキも知っている,
楓おばさんだった。
両親の友達で
家族ぐるみで仲良しだった,
サキの大好きな楓おばさん。
「サキちゃんを
うちへ連れて帰ります。
うちの子として育てます。
亡くなる前に,
手紙をもらいましたので。
ご心配なさらずに」
楓おばさんは
サキの震える手をすくい,
ギュッと握った。
「でも...あの...」
親戚は全員,
顔をそむけつつも,
そうしてくれと言わんばかりに,
背を向けた。
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