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「あたしこれから余り会えなくなる。」
恵子が智美に少し悲しげな顔をしながら言った。
「なんで…。」
智美には全く意味がわからなかった。
「今度の春で営業所が移動になるの。」
恵子は智美の家から10分ぐらいのとこに住んでいたが、今度の移動で大森の方へ引っ越しをする。
今までみたいに気軽に家には来れなくなると言うのだ。
智美は何も言えなかった。
別れるわけではないが、今までみたいに頻繁に会う事が出来なくなる。
電車で30分ぐらいの距離しか離れないのに…
微妙な距離。嫌だとは言えない。
「わかった。」
力無く返事をした。
右手で恵子を引き寄せ、言葉で表現できないかわりに力いっぱい抱きしめた。
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