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凍てつく寒さの中、王都バロニアはX'mas一色だ。
一面の銀世界、赤帽子に白い髭の"さんたくろーす"が沢山溢れている
ついこの間まで"世界を救っていた"者も例外なく赤い衣装を身に纏っていた
「メリーっクリスマス、ヒューバート」
今日は12月24日
恋人たちのための日
隣に居る"サンタ"が幻なのではないかと思うくらい喜んではしゃいでしまいそうな己に咳払いが一つ
「…兄さん、そんな格好をしてもリチャード陛下は喜びませんよ」
膝丈までの衣装にチラリと見える白い脚首、寒さのせいか、ほんのり朱ずく頬
冷静な己でさえも眼を奪われる姿を、リチャード…この国の王が喜ばない筈がない
「解ってる、リチャードは忙しいから此でリチャードの助けになるなら…最後まで手伝いたいんだ」
己が何を言おうと、アスベルのリチャードへの気持ちが代わる事はない
リチャードは相変わらず仕事に追われ、アスベルは其れを不満になど思わない
其れほど想い合い
其れほど強い絆で繋がっている
己が昔から、リチャードと会う前からアスベルを好いていたなど夢にも思わないだろう
ウィンドル国王リチャード
ラント領主、アスベル.ラント
幼い頃からアスベルとリチャードは仲が良かった、其れを己は指をくわえて見てるだけだった
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