第十八話

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「分かりませんか……わざわざ私が貴方を呼んだ理由―― 貴方の持つ“力”にあることを」 さも当然のように希は冷静に答えを言う。 「貴方は“魔界”を滅するべき選ばれた“人間”なのです」 意味が分からない希の答え。だけどその答えには一つだけ確信がある。 「それは、俺に“アイツら”を裏切れと言っているのと同じことだな?」 つまり平たく言えばただ単に希の言葉はそれだけを物語っていた。 「……違いますよ。 私が言いたいのは……貴方は元から此方側の“異端”だったということです」 動じることなく、希はハッキリと言葉を繋げてくる。 「貴方は、“七大天使”の力を持ちし光の聖者の使いです。 その為に今まで“マスター”に加担し、“魔界狩り”を行っていたのではないですか?」 「……何が言いたい?」 語尾が荒くなる。希の言う使命等は京にとってどうでも良かった。京はマスターに助けられた……だからこそマスターに力添えしていた――それ以外に理由はない。
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