星月夜

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星好きの君は笑って 星月夜にくり出した 鬼灯の君の顔が 頬好きにさせてくれたんだよ 僕は、馬鹿で、臆病で、そのくせまだ何かが欲しくて 手を引く君を、僕の方へと擦り寄せた 風が抜けては困って 影が一つじゃ足りなくて 「君は寂しさ埋められるならどうせ誰でもいいんでしょ?」 風が吹いては止まって 影は一つでまとまって 君は「寂しさ埋められるだけじゃないよ。」って言って泣いて 手を離したら、影は切れた 擦り寄せた筈だったのに…… 風が吹いては止まって 影が一つじゃなくなって 君と埋めた寂しさの上に積み重ねたものを知って 影が二つ、まとまって 風が吹いては止まないよ 君はこんな僕にも「いいよ。」って言って 「こんな君がいいよ。」って言い換えしたら、風が止んだ 影が一つになったから…… 星好きの君を連れて 星月夜にくり出した 頬好きの僕は君の 鬼灯にみたいな顔に見とれてた
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