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3月31日
3ー2の生徒はどれだけ心まちにしたことだろう
ミステリーツアー
おそらくほとんどが初めてのことだろう
どこで何をするのかもわからない、軽い冒険感覚
学校があっていた時は毎日遅刻する生徒がいて、7時学校集合と少し早いにも関わらず
遅刻者は0、欠席者も0だ
この日をどれだけ楽しみにしていたのか良くわかる
天気は快晴
朝方の空に雲は1つもない
皆懐かしの制服を着てテンションが上がっていた
5泊6日と修学旅行よりも長く
荷物も多かった
今回は持ち物はなんでもOKであって、ケータイを持ってきている人が大半だ
「久しぶり」
「代わってないな」
などという声があちらこちらで聞こえた
しばらくして貸し切りバスが来た
バスはごく普通で運転席の窓には
『3-2様』
と書いてある
そして独特のバスのドアが開く音がして中から先生がでてきた
「おー!おはよう!みんな元気か? 全員いるな、それでは早速移動するからバスの中に入ってくれ 酔いやすい人は前に座れよ」
この言葉が終わると
一斉に皆がバスの中に入っていく
純粋な笑顔の中に1人うかない表情の人がいた
長野 俊矢
クラスではかわいい、かっこいいなど人気だった
テニス部に所属していて運動勉強共に良く進学校への入学が決まっていた
長野だけがこの時薄々気がついていた…
このミステリーツアーがおかしいことを
そしてこのミステリーツアーが恐怖に変わることを…
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