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『恭香…』
隣で静かに眠る愛しい君
年相応の幼い寝顔に思わず笑みがこぼれた
普段から大人びた雰囲気をまとっているせいか、中身も大人なのだと思われやすいけど…。
ー右側を下にして眠る人は淋しがりやらしい
さりげなく、俺のスウェットを掴む手
最初の頃は頑なに背中を向けられていたが、それは人に甘えきれないこの子だから
顔にかかっている綺麗な髪を避けてあげればかすかに身じろいで擦りよってきた
抱き締められて眠るのが好きだと知ったのはつい最近ー…本人は認めないけれど
ここまで愛しいと想える相手に出逢えるなんて、想像すらしなかった
『…お休み』
起こさないよう、小さな声で囁く
どうか夢なら醒めないで
目覚めるにはまだ早すぎるから
fin.
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