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ピピピピ……ピピピピ……ピピッダンッ
「……朝か」
掴んでいる目覚ましをみつつ布団から男が這い出る。
その風貌は男と言うよりも精悍な顔つきの青年といった所だろうか。
目に少しかかるぐらいの黒髪がやや鋭い眼光を隠している。
――それがこの男、湊川零の容姿である。
今年高校2年になる。
零はいかにも低血糖といったフラフラした足取りでベッドから這いでる。
「うぅぅ……」
うめき声をあげつつも時刻を確認。
7時30分。
「もう少し……」
零の通う高校には10分でつく。身だしなみを整えても登校は余裕である。
ばふっ、とベッドにダイブ。
「んー」
一声あげた次の瞬間には寝息が聞こえていた。
驚くべき早寝。
青タヌキの道具使用実験動物"MEGANE"に勝るとも劣らず。
いい勝負である。
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